水晶の舟 / ライブ評



水晶の舟 <UNDERGROUND SPIRIT 13 - 夢の涯てまでも
(吉祥寺 シルバーエレファント/2019年10月25日



今まで観たこのバンドのライヴの中で一番深く心と体に入ってきた。

ほとんどの曲が10分以上、ゆっくりと、ゆっくりと加速しながら、曲が無限にふくらんで、どこまでも飛翔していく。

まさに“水晶の舟”という言葉のイメージそのもののドライブ感で進む透き通った輝きのサウンド。

研ぎ澄まされた真正サイケデリック感覚に覆われて貫かれているパワフル&デリケイトなロックで、観ている方もゆっくりと覚醒されていく。

ヴォーカルはもちろんのこと2本のギターもベースもドラムも、インプロヴィゼイションのパートなどで使われた楽器群も、よく歌っていた。

特に、ぴらこの歌声とギターに痺れとろける。たおやかに、たゆたい、力強く、突き放しているようですべてを包容している。

すべてが絶品。しあわせな2時間強だった。





(行川和彦氏/音楽ライター)




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